仮想通貨の税金の相談はどこで?税理士、税務署、国税庁?

副業ならぬ、複業が叫ばれる昨今、メインとなるお仕事とは別に新たにお金を稼ぎ始めた方も多いのではないでしょうか。そんな中、仮想通貨への投資を検討されている方や、実際に仮想通貨への投資を始めた方も多くいらっしゃるかもしれません。
ただし、仮想通貨で利益を得た場合は、場合によっては確定申告をしなければいけません。仮想通貨への税制度は、最近になってようやく整備され始めているものの、まだまだ手探り感が否めません。
2017年の12月1日に『仮想通貨に関する所得の計算方法等について』という発表が国税庁よりされたことで、仮想通貨に対しても利益を計算すべきということになりました。
ただし、そうはいっても日常生活で税金の知識を学ぶ機会はほとんどないといっても過言ではなく、仮想通貨に関する税金の相談をする相手が必要不可欠ですよね。今回は、どこで仮想通貨の税金を相談すべきか、ということについてまとめました。
今回は、税金についてのエキスパートとも言える国税庁、税務署、税理士、それぞれのメリット・デメリットを見ていこうと思います。
国税庁への相談と税務署への相談の違い
本題に入る前に、そもそも国税庁と税務署について、違いがよく分からないケースも多いかもしれません。
まず国税庁と税務署それぞれの仕事の違いについて確認しておきましょう。
国税庁は、税務署の事務を指導・監督する立場であると同時に、自らも大規模な法人、大口滞納者、大口脱税者などの賦課・徴収を行なっています。
一方、税務署は国税庁の監督下で、各々の管轄区域において内国税の賦課・徴収を行なっている、税務行政執行機関の第一線を担う機関となっています。
つまり、国税庁と税務署は、師弟関係のようなものです。基本的にはどちらに相談しても、同じことをしていると考えて問題ないと思います。そのため国税庁への相談と税務署への相談は事実上同じなので、最寄りの税務署に相談しましょう。
国税庁・税務署で相談した時のメリット
国税庁・税務署各々に、仮想通貨にかかる税金の相談をした時のメリットを見ていきましょう。国税庁・税務署に仮想通貨への税金についての相談をするメリットはおもに
- 電話でも相談ができる
- 相談費用を抑えることができる
この2つです。
まず、電話による相談ができます。最寄りの国税庁の電話番号は国税庁のホームページに掲載されていますので、簡単に電話をかけて相談をすることができます。
確定申告期には、国税庁の各署外にも相談窓口を設けられ、相談に乗ってもらえることができます。対面の相談は電話と違って相手の表情も見えるので、是非とも活用したいですね。
さらに、これらの相談は無料で受けることができます。電話で相談に乗ってもらっても、かかる相談費用は電話代のみと、費用を安く抑えることができます。
国税庁・税務署で相談した時のデメリット
一方で国税庁・税務署に相談した時のデメリットは「署員によって、仮想通貨に対する税の知識量が異なるので時間がかなりかかるケースもある」ということです。
署員の方も、仮想通貨の税金に対する知識が浅いことがあります。わからないところは別の署員に聞きに行って…などで、相談に時間がかかってしまうこともあります。
いくら国税庁の署員とも言えど、仮想通貨の税制度は施行されたばかりです。専門部署ができて脱税などの取り締まりを強化しているとの声も聞きますが、署員の方々の間で知識の差が出てしまうのも、仕方がないと思われます。
税理士に相談するべきなのか
やはり、仮想通貨に関する税金についての相談は、税理士も活用したほうがいいと個人的には思います。
ただし、国税庁や税務署のケースと同じように、税理士の中にも仮想通貨に詳しい人、全然詳しくない人がいます。Aさんは合法といっていてもBさんは「そうではない」と言うケースも珍しくありません。
税理士の中には、仮想通貨に対して強みをもつ税理士さんもいますが、彼らはスピーディーに正確な知識を共有してくれ、また申告書の作成までもやってくれます。
知らないうちに脱税していた、無駄な税金を払ってしまっていた、などという事態に陥らないためにも、ここは税理士さんにも相談したほうがいいと思います。
税理士さんを頼ることによって生じるデメリットは、相談費用などで予定外の費用がかさんでしまうことです。
ただし、これは必要経費だと思います。税務署に相談はできても、申告書の作成はこちらで行う必要があります。
仮想通貨で得た利益をなるべく大きいまま保持していたいですよね。それに仮想通貨の税申告はとても複雑で面倒くさいです。
確定申告時に万が一納めた税金が納めるべき税額よりも小さかった場合、後からペナルティーとして過少申告加算税という税金を余計に徴収されてしまうのです。この他にも、申告時のミスなどで生じるペナルティーとしての税金が存在します。
このように、失うお金を最小限に留めるため、税理士に依頼したり、依頼しない場合でも会計ソフトを活用することは、必要経費であるという認識を持つべきだと思っています。
税理士相談にも落とし穴が?
申告書の作成代行や記帳代行などで税理士を活用し、本業に集中することは大切ですが、税理士に全て丸投げで自分は完全ノータッチ!というのも問題です。
というのも税理士も万能ではありません。税理士はオッケーと言ってくれたのに、後で税務調査に入られてNGと言われた・・なんてことも起こりえます。
税理士はあくまで納税者と税務署、国税の仲介役みたいなもので、最終的に税制をふまえて判断するのは税務署、国税です。そのため、
- 記帳代行、確定申告代行は税理士
- 複雑ではない相談、すぐにしたい相談は税理士
- 「これは経費になるのか」といった複雑な内容の場合、税理士だけでなく税務署にも相談して「後ろ盾」を得ておく
病院のセカンドオピニオンのような感じで、こういったスタイルをとるのもいいのかなと思っています。